第四回全国合気道指導者研修会《国庫補助対象事業》が平成二十八年十一月
四日~六日に千葉県勝浦市日本武道館研修センターにおいて開催されました。
この研修会では全国の合気道を指導する中高学校の保健体育教員及び将来保
健体育科教員になる可能性のある大学生を対象に、学校教育における合気道の
指導法に関する実技及び講義が行われております。同時に各都道府県合気道連
盟代表者も参加し、全国指導者研修も行われています。
講師十名、日本武道館事務局三名、受講者七十三名が参加し、東京都合気道連
盟からは藤城清次郎理事長、大田勤副理事長、木下悦子理事が参加しました。
初日は開講式後、特別講師として合気道道主 植芝守央先生の講演で「合気道と
は」、続いて国際武道大学体育学部准教授前川直也先生および同教授 立木幸敏
先生の「チームビルディング」についての講義がありました。「チームビルディング」と
は行動科学の知識や技法を用いて組織力を高め、外部環境への適応力を増すこと
をねらいとした一連の介入法戦略ですが、前川先生の軽快な説得力ある実践的な
講義は時間をも忘れる内容でした。目標設定の原則そしてその目標への過程の大
切さも理解しました。小さな目標→その日の稽古する技、アクティブラーニング→自
由稽古などと合気道に置き換えて考えると通常の指導法が明確になります。
二日目は「中学校合気道指導法」と「全国指導者研修」の二つに分かれて講義が行
われました。「中学校合気道指導法①②」は本部道場指導部指導員 日野皓正先生
が、全国指導者研修は全日本合気道連盟理事長尾崎晌先生による「初心者に稽古
を継続してもらうには?」についての講義が行われました。
二日目午後は国際武道大学特任准教授の川城健先生による「体育授業の今と合気
道の教材化(導入)」ついての講義が、そしてその後、中学校合気道指導法③として本
部道場指導部師範金澤威先生による授業が行われました。
三日目は「全国指導者研修」として(公財)合気会理事 林典夫先生による「学校武
道(合気道)必修化の経過現況および今後の取組」についての講義が行われました。
講義の中で、合気道授業実施校の現状報告として、綾部市立上林小・中一貫校の田
川穂高教諭、岩手県合気道連盟の梅田佳一理事および今年度実施予定の吉野川市
立山川中学校の木内啓太教諭が実践例報告をしました。全て体育科教師と外部講師
とのチームティーチングの合気道授業でありました。このような現状からしますと、合気
道経験者が必ずしも学校武道の指導者になることはできません。今回のような研修を
希望者すべてが受講できるように東京都合気道連盟も対策を考えなければならないと
実感しました。
また、日本武道館振興部副参事兼普及課長 片岡正徳先生の「武道の振興につい
て」の報告でのスポーツ庁の取り組みも勉強になりました。
実技指導は金澤威先生、日野皓正先生にご指導いただきましたが、通常の稽古と違
い、畳にビニールテープで印をつけ、受けと取りを分かりやすくし、一つ一つの動きを
分解し、最後に一つの技にする稽古法でした。安全面への配慮そして理解しやすい
説明が生徒には必要であり、都道府県連盟代表者にはこの指導方法は大変役に立
つ講義でした。
三日目午前十一時三十分にすべてのスケジュールが滞りなく終了し閉講式が行わ
れ、終了証をいただき、解散いたしました。今回の研修で学んだことを軸に東京都合
気道連盟もより一層の学校武道への協力をお約束させていただきます。