2018年3月3日、4日の2日間、東京都(足立区)地域社会合気道指導者研修会が綾瀬
の東京武道館で開催された。
開会式は、東京武道館 小川香アナウンスの元に進行し、主催者挨拶 (公財)日本武
道館評議員 阿達雅志参議院議員、 東京武道館 寺内定雄館長 に続き、主管団体
挨拶として東京都合気道連盟 藤城清次郎理事長 から朝早くから集まった参加者へ
の感謝と素晴らしい場所を提供してくれた主催者への謝辞が語られた。講師は以下
の4名である。
中央派遣講師
大澤 勇人 (公財)合気会合気道本部道場指導部師範
梅津 翔 (公財)合気会合気道本部道場指導部指導員
地元講師
藤城 清次郎 東京都合気道連盟理事長
大田 勤 東京都合気道連盟副理事長
実技では、梅津指導員の準備体操に続き、大澤師範による基本の動き、稽古法につ
いての講習が行われた。昭和8年刊行の「武道練習」、昭和13年刊行の「武道」のコピ
ーが資料として配付され、講習中に資料の中の植芝盛平開祖の技が多く取り上げら
れた。
全員で立って、基本の半身の構えを細かく段階を踏んで確認する。その次に二人で組
んで技に入る。片手持ち転換の練習であれば、手の高さの確認、手の向き、重心は大
丈夫?、肩は大丈夫?間合いは?と一技毎に細かく姿勢を確認してゆく。各技毎にこ
の確認を繰り返す稽古法が示された。
昭和8年の武道練習の本の中にある座技を行う。自分から相手の面を打ちそして同時
に脇腹を突く、そこから一教表に入る、そして今度は相手が打ってくる場合に体を開い
て一教裏技にとる。普段行っている一教、相手が打ってくるところを取る技とはいささ
か趣が異なる練習を行った。
その他も入身投げ、四方投など数多くの技を行ったが、正面打ちにしろ、横面打ちにし
ろ、受けが打つときに相手の面に当たってないことが多いと指摘があった。手刀をしっ
かり相手に当てる稽古法に時間を取って行った。片手持ちで手の取り方も、上から持
つか、横から持つか、下から持つかで技が変わる為、技に適った受けの取り方が大切
と説明があった。参加者は取りと同時に受けの重要性も大きいと再認識した。
大澤師範の実技の他、講義が三回行われた。日本武道館作成DVDを視聴し、藤城理
事長より、「第五回全国合気道指導者研修会の報告と東京都合気道連盟の現状」の
講義が行われた。「スポーツによる突然死とその予防策の説明で定期的なメディカル
チェックが大切」というまとめがなされた。
二日目の大田副理事の講義では、「合気道指導の手引き」に基づいた合気道中級者
指導の一考察が実技指導を交えて行われた。「この研修会では、普段とわざと違うこと
をやって欲しい。大澤先生の指導を思い出してやって下さい。」と強調した。
参加者からこの研修会の感想として、「大澤師範の分かりやすい説明で充実した稽古
ができた。普段の稽古では気づかない点や参考になる点が数多くあった。自分の動作
をもっと深く考えてみる良い切っ掛けとなった。」というコメントがあった。
閉会式では修了証授与が 寺内館長より参加者に渡され、講師講評の後、小出智光
東京武道館課長(サービス担当)から閉式通告がなされ二日間に亘る研修会は無事
幕を下ろした。
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